離婚と住宅ローン 切っても切り離せない問題とは?
前回までの記事で触れましたように、結婚をきっかけとしたり、ご家族のことや老後のことを考えて自宅を購入なさる方が多いと思います。
しかしながら、今や日本は3組に1組が離婚する時代です。離婚によってライフプランは大きく変わり、出費も変わってきてしまいます。
離婚をするにあたり、ご自宅をどうするのか、これが大きな問題となりますね。
そこで今回は、離婚が引き起こす住宅ローンの問題について見ていきたいと思います。
なかなか嫌な話題ですが、大事なことなので、しっかり見ていきましょう!
① 離婚をするので自宅を処分したいが、売却しても住宅ローンが残ってしまう
この場合、専門の弁護士や任意売却支援機関に相談しましょう。任意売却とは債権者の合意のもと行いますから、残債務について生活状況などを考慮した現実的な返済を、話し合いの上対応してもらえます。一般的には月額5,000~50,000の返済となります。
住宅ローンの滞納が続き、万が一競売となってしまうと不利な条件や、残債の返済に対して給与の差し押さえ等の可能性も出てきますので、離婚後ご自宅の売却を行う際には、早めに専門の方にするべきです。
② 夫が住宅ローンの契約者でローンを支払い続け、妻子だけが住み続ける
これはよくあるケースですが、夫が住宅ローンの契約者である場合、契約者が家を出るのは多くの場合契約違反となります。金融機関によってはローンの一括返済を求められる場合もありますので、必ず金融機関に連絡をし、適切に対処することが重要です。
また夫側の出費として二重に生活費が出るので、住宅ローンの支払が滞り、結局手放すケースもありますので、離婚前に第三者を含めて離婚後の負担割合等、よく話し合って決めることしないと悪いほうへどんどんいってしまいます。
③ 住宅ローンの名義を妻に変更し、妻子が住み続ける
これは、金融機関が住宅ローンの支払い能力を妻に認めた場合となり、妻の単独収入で返済するのがポイントとなります。よって稀なケースとなります。
④ 妻との共有名義の持ち家だが、妻が任意売却に応じない
住宅ローンは支払いが3カ月滞ると、信用情報機関に登録される可能性があり、最長で7年間は金融機関からの借り入れ等ができなくなってしまいます。
このような大きなリスクを第三者がきちんと説明すれば、スムーズに任意売却に移行する場合があります。
⑤ 妻が連帯保証人の場合、自宅売却後の住宅ローンの残債にたいして返済義務は残るのか
自宅を売却し住宅ローンが残った場合、妻にも返済義務は残ります。のちに夫が返済できなくなったり、自己破産した場合には、連帯保証人である妻が返済しなければなりません。
⑥ 離婚をする際に、妻は連帯保証人をやめれるか
住宅ローンが完済されるまで、連帯保証人から外れることは基本的にできません。連帯保証人に財産があった場合、差し押さえられることにもなります。
離婚協議の際に、夫は妻を連帯保証人から外す、という記載をいれることもできますが、金融機関がそれに応じるかは別問題となります。
⑦ 契約者である夫が行方不明
契約者本人が行方不明、連絡がつかない場合でも、自宅の売却を行うことができます。裁判所に「不在者財産管理人」の選任の申し立てを行うことで可能となります。費用は1万円ほどでできますので、弁護士等に相談するのが良いでしょう。
⑧ お互い連絡を取りたくない
共有名義財産は、共有者それぞれの同意がないと売却できません。しかし離婚によって感情的になり、連絡を取り合うのが困難な場合には、代理人に委任することで手続きを進めることが可能です。
以上、離婚によって引き起こされる住宅ローンの問題をざっとご説明させていただきました。
冒頭でも申し上げましたように、今は3組に1組が離婚する時代となり、決して他人事ではありません。
なるべくなら幸せに暮らしていきたいものですが、やむを得ないこと、どうにもできないことも起こります。大事なのはそこでどう対応していくか、になります。
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